SIerの働き方について

1.自己紹介

私はとあるSIer会社で働く、20代です。
最近、あるSIer会社から別のSIer会社に転職をし、転職を機にブログを始めました。
前の職場では未経験でIT業界に新卒で入社し、小規模案件のリーダーを任せてもらうことができました。
順調に見えたキャリアですが、会社への不満が募り、転職を決意しました。
現職へは前職で身につけたPLとしてのスキルと業界知識を高く評価していただき、内定をいただくことができました。
今回は転職を機にSIerの働き方や転職について情報を共有できれば良いなと思い、ブログを始め、 記事にすることにしました。


この記事は下記の人向けの記事です。

・IT業界に関心があり、その一つとしてSIerについて関心がある!
・実際のSIerの働き方について知りたい!

2.SIerって何する人?

IT業界に興味を持ち、就職活動をしている人たち、または転職活動をしている人たちに確認したい。
あなた方はSIerという職業について正しく認識しているだろうか。
正直に言って、私は学生の頃に正しく認識できておらず、一時期理想と現実のギャップに苦しんだ。
ということで、私のような経験をしてほしくないので、SIerという職業について詳しく説明していきたい。

IT業界と言われてより身近に感じるものといえば、GoogleやXなどだろうか。
インターネットの影響でIT業界に自由な働き方、華やかなイメージを持っている方も多いだろうが、 はっきり言ってSIerには華やかさなど微塵もない。

実際にSIerが普段どのようなことをしているのかを端的に言えば、SIerとはお客さまから実現したいシステムの要望を聞き、 下請け会社に実作業を依頼する仕事である。
SIerを説明するための例としてよく家を建てるまでの工程が例に上がる。
家を建てたい人から家の構想を聞き、建築家が設計図を作成し、土木業者が実際に家を建てる。
SIerはまさにIT業界の建築家である。 そのため、プログラミングをやりたいという思いがある方にはSIerは向いていない。
全くプログラミングをする機会がないことはないが、年次を重ねるごとにプログラムにふれる機会が少なくなる。
SIerはお客さまや下請け会社(BP)などの外部との調整、下請け会社(BP)への業務指示などの案件管理をメインに行う。

3.SIerのキャリアプラン

このとき私が所属していた会社のキャリアプランはだいたい下記のような感じであった。

1〜2年目:PGとして、技術的に商品の仕組みについて理解しながら、業務知識を身につける。
3〜5年目:小規模〜中規模チームのPM、PLとして案件を管理する。
5〜10年目:複数案件にPLとして参画し、PG(若手社員またはBP)をコントロールする。
10年目以降:チームのPMとして複数案件の進捗を管理する。または部長、課長などの管理職を目指す。

私の経験の話になるが、若手のうちに基本的な技術であったり、業務知識を身に着けていく。 その後、商品の仕様などが少しずつ理解できてきた頃、小規模案件のPLとして案件を推進していくことになる。
小規模案件では、完全に案件管理を行うだけになるのではなく、設計、コーディング、テスト、リリースなどすべての工程にも携わる。すべての工程に携わることで案件の一通りの流れというもの理解していくのが、 狙いであるでと考えている。
その後は、案件を受注するための見積もりなども経験し、設計書やテスト仕様書などを中心に作成することになり、徐々にプログラミングをする機会は減っていき、案件を管理したり、レビューをすることがメインとなっていく。

上記のようなキャリアプランであるため、PGとして経験を積みながら、業務知識を身につける期間が限られている。一つのチームにずっと所属しているのであれば、上記のキャリアプランでも問題ないが、異動があったときに 大きな問題が生じる。 PGとして経験を積む期間が極端に短くなるのである。 そのため、年次を重ねれば重ねるほど、PGとしてのキャッチアップは難しくなり、商品の仕組みや、業務知識を身につけることも大変になる。

SIer会社は人月商売であるがゆえ、会社としては案件を推進するPMやPLを育成し、低い単価でPGを雇い、利益を得ている。 そのため、SIerとしてキャリアプランを積んでいくと技術力よりはプロジェクトをコントロールするためのスキルと業界知識が得られる。案件でメンバークラスのままコーディングやテストをし続ける社員は単価が高く、利益率を大きく下げることになるため、会社からの評価は必然的に低くなってしまう。逆にPM、PLとして複数案件を同時進行させることができるような社員が高い評価を受ける。

4.SIerに向いている人・向いていない人

・相手の意図を正しく汲み取り情報を論理的に整理することが好き
・会社内外とコミュニケーションを取りながらプロジェクトを進めることが苦でない
・曖昧な情報から形あるものを作り上げることを楽しめる

私が考える中では、上記の3点に当てはまる方はSIerになることを選択肢の一つにしてみてもよいかもしれない。
一方でIT技術を極めたいという人はSIerを目指すことはやめたほうがよい。
キャリアプランで言及した通り、プログラミングなどのいわゆる技術に関わる機会は年を重ねるごとに少なくなるため、ゆくゆくは自身の理想と現実とのギャップに苦しむことになる。

SIerに関心ある人はこの記事を参考にして、本当に進みたい道は正しいのかを再確認してみてほしい。

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